Nature ハイライト

Cover Story:遺伝的特徴の継承:疾患遺伝学に新たな見方をもたらすフィンランドの隔てられた歴史

Nature 613, 7944

フィンランド人集団の歴史的な隔離は、(表紙のイラストで示されているような)比較的均一な遺伝子構成をもたらした。今週号では2報の論文が、フィンランドのこうした独特な遺産を用いて疾患の遺伝学を調べている。この研究の中心にあるのは、フィンランド人50万人のゲノムデータと健康データの詳細な調査を目的としたFinnGen研究である。1報目の研究では、フィンランド人22万4737人のデータが分析され、681のさまざまな疾患に影響を及ぼす1838の遺伝的バリアントが見いだされている。これには、新規である可能性のある低頻度の702の関連バリアントが含まれる。2報目の論文では、疾患を起こすにはそれぞれの親から受け継いだ遺伝子の両方に欠陥がなければならないという劣性(潜性)条件に注目して、フィンランド人に特有の複数の関連が見いだされ、これまで認識されていたより大きな遺伝的継承の複雑さが明らかになっている。

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