Nature ハイライト

Cover Story:流体力学:人工繊毛によって得られる表面の液体の流れの制御

Nature 605, 7911

繊毛は、細長い糸状の突起を特徴としており、生物はこれを使って流体の流れをマイクロスケールで制御している。しかし、こうした構造を模倣し繊毛に似たシステムを設計して幅広く応用する取り組みは、難しいことが分かっている。今回W Wangたちは、表面付近の液体に流れパターンを生成するのに使用できる、電子的に制御された人工繊毛について報告している。彼らは、表面実装した白金ストリップを用いており、このストリップは、それぞれの長さが50 μm、幅が5 μm、厚さが10 nmで、片側がチタンで覆われている。この繊毛に、振幅が約1 Vの振動電位をかけると、露出した白金表面でイオンが出入りする。このイオンによって、非対称な力が生じて拍動パターンが生まれ、このパターンを用いて表面の液体をポンピングしてさまざまな流動形状を生み出すことができる。表紙は、作動している人工繊毛の想像図である。

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