Nature ハイライト

Cover Story:ロボット化学者:実験化学の自律的手法

Nature 583, 7815

実験サンプルを積み込む移動型ロボット化学者。
実験サンプルを積み込む移動型ロボット化学者。 | 拡大する

Credit: Prof. Andrew Cooper

化学実験室では自動化が進んでいるが、これまでは、ロボットアームと実験装置を連動させるために、特注の自動機器やインターフェースを必要とすることが多かった。今回A Cooperたちは、自動車組み立てラインで見られるような移動ロボットを、人間と共に湿式化学実験室で動作するよう改良し、人間の化学者と同じ機器を使えるようにできることを示している。彼らは、ポリマー光触媒の性能の向上を目的として、このロボットをプログラムした。このロボットは、8日間で688回の実験を自律的に行い、最初の配合より活性が6倍高い光触媒混合物を見いだした。このタスクは、人間が行えば数か月かかると思われる。この方法は、実験機器ではなく研究者を自動化することによって、化学実験室において多くの応用を見いだすことができる可能性がある。

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