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惑星科学:潮汐トモグラフィーによって明らかになった火星の地殻二分性直下の熱異常
Nature 656, 8129 doi: 10.1038/s41586-026-10893-x
火星は、その楕円軌道と、太陽に対する自転軸の傾きによって、季節的な潮汐力を受けている。この強制への応答によって火星の重力場に時間変動が生じ、この応答は惑星の内部構造に左右される。我々は、マーズ・グローバル・サーベイヤー(MGS)、マーズ・オデッセイ(ODY)、マーズ・リコネサンス・オービター(MRO)の各探査機から得られた追跡データを用いて、火星の時間変動重力場の3次成分が、球対称な惑星を仮定した予測値から最大300%乖離していることを示す。これらのずれは、マントルの有効せん断弾性率が、火星の地殻二分性が地表に現れている分布とよく一致する、おおむね南北方向のパターンにわたって20%以上変動していると仮定すれば説明できる。我々はこの相関関係に基づき、火星の南部高地の下にある現在のマントルにおいて、200~400℃の熱異常が残存していると推測する。この温度変動は、局所的なマントル対流を反映している可能性、あるいは数十億年にわたって維持されてきた南部高地の厚い地殻による断熱効果を反映している可能性がある。

