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社会行動学:祖先的な摂食関連神経ペプチドが、アリにおける母親以外による養育を調節する
Nature 656, 8129 doi: 10.1038/s41586-026-10747-6
母親以外の個体による子の世話と分業は、昆虫社会を特徴付ける性質である。社会性昆虫のワーカーは一般に、若齢期には巣内で子の世話をし、加齢に伴って巣外で採餌を担うようになる。これは、養育行動と加齢に伴う行動変化の神経基盤を調べるための強力なパラダイムをもたらす。こうした動態のいくつかの側面は以前の研究で調べられているが、その基盤にある神経機構と分子機構については依然としてほとんど分かっていない。今回我々は、神経ペプチドを対象とする偏りのない薬理学的スクリーニングを用いて、摂食を調節する2つの祖先的因子であるニューロペプチドF(NPF)とアラトスタチンA(AstA)が、クビレハラアリ(Ooceraea biroi)の子の世話行動を調節することを示す。我々は、機能的操作を通して、NPFが子の世話行動を増加させるのに対し、AstAはこれとは逆の影響を及ぼすことを示す。我々はまた、脳内のNPFとAstAのレベルが、アリの加齢に伴って自然と変化することを見いだした。これは、こうした変化が、加齢に伴う子の世話行動の変化の基盤にあることを示唆している。さらに我々は、単独性の種の場合と同様に、NPFとAstAは栄養状態に対して感受性を維持しており、それに応じて、栄養状態が子の世話行動に影響を及ぼすことを示す。以上の結果は、進化の過程で、祖先において摂食を調節していた分子機構が転用され、協同的な子の世話と加齢に伴う分業が可能になったことを明らかにしている。

