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神経回路:脳から腹側神経索にわたるコネクトームで見られる分散型制御回路群

Nature 656, 8129 doi: 10.1038/s41586-026-10735-w

ゲノムが分子遺伝学に変革をもたらしたのと同じように、コネクトーム(ニューロンとシナプスの地図)は神経科学を変容させつつある。しかし、現在までに完全なコネクトームが得られている生物は、線虫、ホヤ、クシクラゲに限られ、これらのシナプス数は103~104個である。対照的に、ショウジョウバエはより複雑であり、108個のシナプス接続を持つ他、学習と空間記憶を支える脳と、脊椎動物の脊髄に相当する精緻な腹側神経索を持つ。今回我々は、脳と腹側神経索を一体化した、精密に再構築したハエ成体のコネクトームを報告する。我々はこの情報資源を利用して、神経制御の原理を調べた。その結果、効果器ニューロン(運動ニューロン、内分泌細胞、内臓に投射する遠心性ニューロン)は、基本的に同一の身体部位の感覚ニューロンから影響を受け、局所的なフィードバックループを形成していることが分かった。これらの局所ループは、行動中心的なモジュールに組織化された上行性および下行性ニューロンを含む長距離回路によって連結されている。個々の上行性および下行性ニューロンは、複数の身体部位の随意運動と、そうした運動を支える内分泌細胞や内臓器官の両方に影響を及ぼし得る位置に配置されていることが多い。学習とナビゲーションに関わる脳の各領域は、これらの回路を監督している。今回の結果は、工学システムにおける分散型制御構造を彷彿とさせる、分散型で並列化され身体化した構造を明らかにしている。

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