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分子生物学:N4-アセチルシチジンは合成mRNAの翻訳の効率と忠実度を向上させる
Nature 656, 8129 doi: 10.1038/s41586-026-10729-8
合成mRNA治療薬は、がんや感染症など多様な病的状態の治療に役立つ多用途プラットフォームとなる。これらのmRNAは、細胞内へ送達するために脂質ナノ粒子に封入され、安定性の改善・翻訳の促進・免疫による認識の軽減を目的として一般的には修飾リボヌクレオチドがこれに組み込まれる。N1-メチルプソイドウリジン(m1Ψ)は、翻訳を促進して免疫原性を低下させる効果が高いため、合成mRNAにおける業界標準となっている。しかし最近の研究で、m1Ψが翻訳の忠実度を損ない、それが翻訳の中途終止やリボソームのフレームシフトなどの誤りを引き起こし得ることが明らかになってきた。今回我々は、N4-アセチルシチジン(ac4C)が、m1Ψとは機能的に異なる代替物となることを明らかにする。培養細胞株、ヒト単球由来初代樹状細胞およびマウス肝臓のいずれにおいても、ac4Cはm1Ψと同程度に炎症応答を効率良く抑制しながら、タンパク質の収量を増加させた。翻訳の単一分子画像化によって、ac4C修飾転写産物とm1Ψ修飾転写産物のmRNA当たりのリボソーム密度は、全体としてはほぼ同程度であった。しかし、m1Ψ修飾mRNAの翻訳の伸長速度は、ac4C修飾mRNAと比べてほぼ2分の1と遅く、その結果、タンパク質生産量が減少し、リボソーム衝突が増えた。リボソーム衝突は、品質管理経路および+1フレームシフトを作動させてタンパク質産生をさらに抑制した。これらの知見は、治療用mRNAを設計する際の背景の重要性を強調するとともに、翻訳の伸長速度が修飾リボヌクレオチドの有効性を決定する主要因子であることを示している。

