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社会科学:ヨーロッパでは世代間移動がイノベーションを育む

Nature 656, 8128 doi: 10.1038/s41586-026-10736-9

人々が生まれた境遇は、その人の将来の経済的機会に根本的な制約を課す場合があり、これが才能と教育と職業の間のミスマッチにつながる。こうした機会の不平等を決定付ける主な要因の1つは、教育における世代間移動の欠如である。本研究で我々は、ヨーロッパの地域レベルの世代間移動の指標を収録したパネルデータベース「ヨーロッパの空間的に分解された世代間移動アトラス(EUROPE-IGM-ATLAS)」を提示することで、世代間移動に関する既存の知識を拡張した。本研究には2つの貢献がある。第一に、我々は、ヨーロッパ各地における世代間移動の発展についての既存知識を拡張した。EUROPE-IGM-ATLASにより、ヨーロッパにおける機会の地理的分布の変化を特徴付ける、複数の時空間的傾向が明らかになった。例えば、観測された世代間移動の増加は主に、教育分布の下位に位置する家庭の人々における教育到達度の向上に起因し、教育分布全体にわたる順位の変化は少ないことが示された。ただし、こうした移動の増加は地域間で一様ではなく、教育格差が大きい地域では世代間移動の度合いも低く、これは、世代内の格差と世代間の格差の併存を示唆している。第二に、我々はこのデータベースを用いて、世代間移動とイノベーションの間の関係についての証拠を得た。我々は、ヨーロッパの世代間移動が多い地域では、経済成長の重要な原動力の1つであるイノベーションの成果も高いという、大規模な時系列的証拠を提示する。得られた結果の一部はさらに、この関係が非線形であり、主要なイノベーション拠点では異なる機構が作用していることを示している。

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