Article

古生物学:ウロコディアが明らかにする鋏角類の鋏角と書鰓の起源

Nature 656, 8128 doi: 10.1038/s41586-026-10713-2

鋏角類は陸生および水生の節足動物からなる多様な分類群だが、その起源と初期進化に関しては議論が続いている。さまざまな仮説の1つに、鋏角類の、鋏角として知られる第1付属肢はカンブリア紀のメガケイラ類の短い大付属肢(SGA)から進化したもので、書鰓はメガケイラ類の胴部の肢に由来するとするものがある。モリソニア類の一種Mollisonia plenovenatrixやメガケリケラックス(Megachelicerax cousteaui)などのタクソンから、鋏角類の初期進化に関する重要な手掛かりが得られているものの、メガケイラ類様の付属肢から真の鋏角および書鰓に至る形態的移行は、依然として解明されていない。本研究で我々は、X線マイクロトモグラフィーを用いて、中国の澄江生物相に由来するカンブリア紀前期の真節足動物ウロコディア(Urokodia aequalis)の三次元の解剖学的構造を明らかにする。ウロコディアは、硬化したハイポストーマを伴う7節からなる頭部、はさみ状のSGA、そして葉状構造が重なり合った外突起を伴う二枝型の胴部付属肢を有する。はさみ状のSGAは多節化したSGAの出現と真の鋏角とをつなぐ橋渡し的な構造であり、胴部の付属肢は書鰓がメガケイラ類に起源を持つことを支持している。一連の系統解析の結果は、鋏角形類(Cheliceromorpha)の単系統性を一貫して裏付けており、ウロコディアは最初期に分岐した上部ステム群鋏角類であって、下部ステム群のメガケイラ類と、よりクラウン群に近いモリソニアやメガケリケラックスなどをつなぐ存在であることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度