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分子進化学:全ゲノム重複が脊椎動物の脳における細胞タイプの進化を形作った

Nature 656, 8128 doi: 10.1038/s41586-026-10629-x

脊椎動物の複雑な脳は、脊椎動物に最も近縁な生物の脳よりも多くの細胞タイプを持つ。脊椎動物の初期進化の過程では全ゲノム重複(WGD)が起こったが、その際に生じた重複遺伝子(オオノログ〔ohnologue〕)が細胞タイプの進化を促進したかどうかは明らかになっていない。今回我々は、ヒト、マウス、トカゲ、ヤツメウナギ、ナメクジウオという5種類の脊索動物について、脳の単一細胞トランスクリプトームを用い、脊椎動物においてコア転写因子が保存されている多くの細胞タイプファミリーが、ナメクジウオの細胞タイプとは1対1の相同性を示さないことを報告する。さらに、オオノログ、特に最初のWGDに由来するオオノログは、脊椎動物の細胞タイプ進化において、小規模重複によって生じたパラログよりも重要であった。我々は、オオノログがこの過程に機構的に重要であるかどうかを調べるため、祖先的な細胞タイプ状態を予測し、それをナメクジウオの細胞タイプと比較するとともに、マクログリアを実験的に調べた。その結果、オオノログが脊椎動物初期の細胞タイプ多様化において役割を担っていたことが示された。さらに我々は、細胞タイプ間および種間でパラログの発現を調べ、発現変化は主として遺伝子量選択と機能分割によって駆動されたことを示す。我々はまた、さまざまな解剖学的スケールおよび細胞タイプのスケールにおける細胞多様性を、オオノログと関連付けた。我々の知見は、脊椎動物初期の脳の複雑性の進化においてWGDが重要であったことを実証するとともに、その結果生じたオオノログが、生じた後も長期にわたり細胞タイプ進化を可能にし続けたことを浮き彫りにしている。

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