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がん:脂肪症は大腸がんにおいて予後を決定付ける肝転移の不均一性を形作る
Nature 656, 8126 doi: 10.1038/s41586-026-10686-2
大腸がん(CRC)患者では、肝転移がしばしば見られる。こうした患者の予後は、肝転移の組織病理学的不均一性によって偏りが生じる。「置換型」転移の患者では、5年全生存率が44.2%未満であるのに対して、「被包型」(以前は繊維形成性と呼ばれていた)転移の患者では73.4%である。しかし、現在のところ、置換型肝転移を標的とする治療法で承認されたものは存在しない。本研究で我々は、肝臓脂肪症を伴う未治療のCRC患者では、脂肪症のない患者と比べて置換型転移の発生率が高いことを示す。機構的には、脂肪症によって促進される脂肪酸酸化が、アセチル化を介してMYCの安定性を高め、置換型転移の形成を増加させることが見いだされた。続いて、MYCがプロリン合成を活性化してコラーゲン産生を促すことにより、置換型転移巣の増殖が可能になる。患者由来オルガノイド、マウスモデル、患者由来異種移植片モデルにおいて、MYC、P5CSあるいはCOL1A1を標的としたところ、置換型転移の発生と増殖が抑制された。CRC患者の肝転移巣を対象とした代謝物とタンパク質の空間解析でも、この機構が裏付けられた。結論として、我々は未治療CRC患者で予後不良の肝転移が生じる機構を解明し、治療介入のための有望な標的を特定した。

