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遺伝学:細胞タイプで分解された遺伝的多様性が炎症性腸疾患のリスクを形作る
Nature 656, 8126 doi: 10.1038/s41586-026-10627-z
複雑な疾患に関連する遺伝的バリアントの大半は非コード領域に存在しているため、エフェクター遺伝子や関係する細胞タイプを特定する取り組みは困難になる。今回我々は、炎症性腸疾患(IBD)患者125人を含む、421人の参加者の腸生検と血液を用いて、220万の単一細胞においてシス発現量的形質座位(eQTL)をマッピングした。その結果、組織レベルの分解能で検出されたeQTLと比べて、細胞タイプレベルのeQTLは転写開始部位からより遠位にあり、エンハンサーに豊富に存在していて、最も近い遺伝子を調節する可能性は低く、ゲノム規模関連解析(GWAS)で検出されたIBD座位と共局在する可能性が3.5倍以上高かった。骨髄系細胞におけるMAML2、PSEN2、ZMIZ1など、既知のIBD座位の半分以上でエフェクター遺伝子が候補として選出され、腸の免疫機能不全におけるNotchシグナル伝達の低下の関与が示された。また、上皮の幹細胞や前駆細胞においてMYCを含むWnt調節遺伝子が特定され、再生障害がバリア破綻に関与することが示唆された。我々の結果は、IBDにおいて遺伝的リスクを特定の遺伝子や細胞タイプに結び付ける機構的地図を提供するとともに、複雑な疾患に関連する組織の単一細胞eQTLマッピングを用いてGWAS座位を解釈するための一般化された枠組みを示している。

