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神経科学:視床–脳幹のアトラクターネットワークが履歴依存的な意思決定を駆動する
Nature 656, 8126 doi: 10.1038/s41586-026-10623-3
自然環境は徐々に変化することが多いため、近い過去に基づく意思決定にバイアスをかける適応が起こりやすくなり、この現象は系列依存性として知られている。行動中の動物の大規模記録では、系列依存性が意思決定の共通したモチーフであり、過去の経験の神経表現が脳全体に見られることが明らかになっている。しかし、このバイアスが、履歴特異的な計算を行う専用の神経回路から生じているかどうかは分かっていない。今回我々は、記憶に誘導された回避行動を実行中のゼブラフィッシュで、細胞レベル分解能の全脳画像化を行い、過去の情報を保持して未来の選択にバイアスをかける階層的な回路を特定した。背側視床にある別個のアトラクターが直近の過去の障害物の位置を符号化し、10〜20秒間持続する活動を介してカテゴリー記憶を維持していることが分かった。背側視床の光遺伝学的操作によって、系列性バイアスを消去することも課すこともできた。その下流の後脳インテグレーターが視床からの入力を受けて、それを現在の感覚手掛かりと結び付けることで、複数回試行の履歴を反映した段階的な反応が生み出される。我々は、ゼブラフィッシュの網羅的脳アトラスを利用して、行動を再現するとともに、柔軟な状況移行を可能にする不均一な抑制性サブタイプの重要な役割を予測する全脳計算モデルを構築した。このアトラクター–インテグレーター構造は、強固な記憶保持と柔軟な感覚統合とを一体化する階層的でモジュール性の計算を明らかにしており、履歴依存的な意思決定の一般原理を提示している。

