膜:層間隔が制御された酸化グラフェン-ポリドーパミン膜
Nature 655, 8125 doi: 10.1038/s41586-026-10765-4
積層酸化グラフェン膜(GOM)は、水、イオン、分子を高スループットでふるい分ける、並外れて優れた能力を示し、環境部門やエネルギー部門を一変させる可能性を持つ。しかし、高速かつ選択的なイオン輸送に必要な構造的堅牢性を維持しながら、サブナノメートルの層間隔とサブオングストロームの調整可能性を示すGOMを実現することは、依然として大きな課題である。今回我々は、ポリドーパミンピラーを備え、層間隔が調節可能かつ安定な複合GOMを提示する。この複合GOMは、乾燥状態の層間隔を最小5.9 Åまで制御でき、水性環境でサイズの差が0.1 Å未満である水和ルビジウムイオン(Rb+)と水和カリウムイオン(K+)をふるい分けることができ、5320というRb+/K+分離係数を達成した。これらの複合GOMは、ドーパミンの集合と反応のタイムスケール分離法を用いて作製された。具体的には、ナノ閉じ込め水の凝固温度がバルク水よりも低いという事実をGOMの作製に利用する。従って、周囲がバルク氷となっている間もナノ閉じ込め液体水が駆動媒体となり、ドーパミンが急速に集合してナノピラーを形成することで、層間隔が調節される。温度をさらに低下させると、集合過程をいつでも停止でき、層間隔を調整し固定できる。その後、高フラックス輸送に十分な数のグラフェンサブナノチャネルを保持しつつ、ドーパミン分子の重合や酸化グラフェン表面の特定の酸素含有部位における共有結合形成など、より低速の化学反応によって、GOMを剛直化する。このGOMは、67.9 l m−2 h−1 bar−1という水透過度で、30日間にわたって淡水を連続的に生成した。この透過率は、従来の膜よりも1~2桁高い。

