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植物遺伝学:SAUR遺伝子は絹糸の伸長を促進してトウモロコシの干ばつレジリエンスを高める

Nature 655, 8125 doi: 10.1038/s41586-026-10566-9

干ばつは世界の食料安全保障にとって大きな脅威である。トウモロコシ(Zea mays)は食物および飼料のための主要な作物であり、特に花成期に干ばつの影響を受けやすい。トウモロコシは雌雄同株の植物種であり、干ばつによって雄花序と雌花序の成熟が同期しなくなることで、花粉放出(開花)と絹糸(伸長した柱頭と花柱)の露出(絹糸抽出)の間隔が長くなる。干ばつが誘導するこの開花期と絹糸抽出期の差(ASI)は、トウモロコシの収量安定性を根本的に損なうが、ASIの遺伝的制御についてはほとんど明らかになっていない。今回我々は、干ばつ条件下で、干ばつで増大するASIを短縮して収量安定性を向上させる量的形質座位qDR9Drought Resistance 9)をクローニングしたことを報告する。qDR9の根底にある原因遺伝子は、SAUR(Small Auxin Up RNA)タンパク質(ZmSAUR72)をコードしており、トウモロコシの絹糸で高発現するが、干ばつ下では発現が低下する。ZmSAUR72は細胞膜に局在するタンパク質ホスファターゼを阻害し、それによってH+-ATPアーゼ活性が高まり、絹糸の成長が促進される。プロモーターにトランスポゾン様の挿入がない、ZmSAUR72の有利な対立遺伝子は、より高い発現を駆動し、干ばつ下でASIを短縮し、収量を安定させ、通常条件下で収量の低下をもたらさない。このように我々の知見は、干ばつ下におけるトウモロコシASIについて新たな手掛かりを提供するとともに、水不足条件下で収量の安定性を高めたトウモロコシ栽培品種を育種するための強力な候補遺伝子を示している。

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