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進化学:有櫛動物の一種における原口オーガナイザー

Nature 655, 8124 doi: 10.1038/s41586-026-10643-z

ヒルデ・マンゴールドとハンス・シュペーマンは1924年の象徴的な実験で、両生類の胚の原口背唇がオーガナイザー(形成体)として機能し、これを宿主胚に移植すると二次的な体軸が誘導されることを確立した。この発見により、特定の胚領域が胚のパターン形成を調節でき、体軸全域の確立につながることが実証された。そしてその後の研究により、左右相称動物の姉妹群である刺胞動物の胚にも、オーガナイザーとして機能する原口があることが明らかになった。しかし、こうしたオーガナイザーの進化的な起源は明らかになっていない。今回我々は、他の全ての後生動物の進化的姉妹群に属する有櫛動物の一種Mnemiopsis leidyiの原口唇が、オーガナイザー活性を示すことを報告する。M. leidyi原腸胚の原口唇組織片を移植すると、二次的な咽頭と口の形成が誘導されることが示された。さらに、異なる門の間での移植実験によって、M. leidyiの原口唇が、刺胞動物であるネマトステラ(Nematostella vectensis)の胚において二次的な体軸を生じさせることが明らかになった。M. leidyiにおけるオーガナイザー機能にはβカテニンとTGFβの両方のシグナル伝達が必要であり、TGFβファミリーのリガンドがこの誘導能を提供していると考えられる。これらの知見は、有櫛動物、刺胞動物、脊椎動物における原口オーガナイザーの深い相同性を明らかにしており、これによって、原口唇が祖先的なオーガナイザーの役割を有することが示唆された。我々は、こうしたオーガナイザーの出現が、単細胞の類縁生物の時間的細胞分化から最初の多細胞胚の空間的細胞分化への変化を促進した、極めて重要な新機軸であったと提案する。

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