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植物科学:テオシントの対立遺伝子はトウモロコシの窒素同化と種子タンパク質量を増強する

Nature 655, 8124 doi: 10.1038/s41586-026-10575-8

トウモロコシ(Zea mays L.)が栽培化される過程で、種子のタンパク質含量は急激に減少した。植物では、グルタミンおよびアスパラギンの量がタンパク質含量と密接に相関する。アスパラギンはグルタミンから合成され、この反応はアスパラギンシンターゼによって触媒される。トウモロコシの野生祖先種であるテオシントは、アスパラギンシンターゼ4遺伝子(ASN4)の優良ハプロタイプを持つ。本研究で我々は、テオシントが、グルタミン合成を促進する遺伝子についても優良ハプロタイプを持つことを報告する。我々は、窒素同化と炭素–窒素バランスに関わる重要な酵素であるグルタミン酸-オキサロ酢酸トランスアミナーゼ1(GOT1)をコードするteosinte high protein 3THP3)を特定し、これをクローニングした。この優良対立遺伝子THP3-Tは、栽培化の過程で負の選択を受けたが、この対立遺伝子には、その発現量と酵素活性の両方を増強する自然変異が存在する。THP3-Tを過剰発現させると、種子タンパク質量が有意に増加し、炭素–窒素組成の変化が認められたが、現代型のTHP3-B対立遺伝子を過剰発現させてもこのような効果は得られなかった。THP3-Tと、ASN4をコードするTHP9-Tを遺伝子集積することで、優良交雑種の収量を維持したまま、種子と植物体全体のタンパク質量の両方が相乗的に高まった。今回の知見は、栽培化の過程で選択されなかった、野生近縁種由来の有益な希少対立遺伝子の再導入が、作物改良の強力な戦略となることを実証している。

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