社会科学:国政選挙期間中の社会規範に関する誤認に介入するためのアルゴリズムの再設計
Nature 655, 8124 doi: 10.1038/s41586-026-10536-1
市民がデジタル環境で日常的に議論を交わすようになったのは歴史上初めてのことであり、そうした環境では、アルゴリズムによって社会的情報への曝露が左右される。こうしたアルゴリズムが政治的な議論に影響を及ぼすのか、また、影響するとすればどのように影響するのかを理解することは、ますます重要になっている。本研究で我々は、特性を完全に制御可能な独自のフィード順位付けアルゴリズムを構築し、2024年米国大統領選挙の前後の8週間にわたって、複数のアルゴリズムのいずれかを使用するよう2000人の参加者を無作為に割り付けた。我々はまず、エンゲージメントに基づくアルゴリズム(主要なソーシャルメディアプラットフォームで使用されているアルゴリズム)が、集団間・道徳化・感情的(IME)情報を政治的対話に関する社会規範の認識をゆがめる形で増幅するかどうか、また、このアルゴリズムが逆時系列フィードのアルゴリズムと比較して、IMEコンテンツへのエンゲージメントや党派的な敵意の認識を増大させるかどうか検証した。さらに我々は、極端なユーザーの影響を減らし、社会規範の認識の精度を高め、党派的な敵意の認識を低減させる「極端性多様化」アルゴリズムを開発し、それを検証した。一連の検証の結果、エンゲージメントに基づくフィードは、逆時系列フィードよりもIMEコンテンツおよび有害コンテンツを増幅し、中でも道徳的な憤りと政治的コンテンツを大きく増加させたことが分かった。また、予想外の方向ではあったものの、エンゲージメントに基づくフィードは、規定的規範の認識精度を低下させ、党派的な敵意の認識を高めていた。一方、こうしたフィードがユーザー自身のエンゲージメント行動を有意には変化させることはなかった。極端性多様化アルゴリズムは、IMEコンテンツと有害コンテンツへの曝露を減らし、規定的規範の認識精度を改善したが、プラットフォームの利用満足度は同程度に維持されていた。これは、極端なユーザーの影響を減らすことで、ユーザー体験を損なわずに、アルゴリズムによるゆがみを抑制できることを示唆している。
プロトコル登録:本Registered Reportのステージ1プロトコルは、2024年9月17日に原則的に採択された。このプロトコルは、https://osf.io/c9a3mで閲覧できる。

