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環境科学:変化する気候におけるヨーロッパ全土の粉塵汚染の拡大

Nature 655, 8123 doi: 10.1038/s41586-026-10743-w

砂漠の鉱物性の粉塵(鉱物ダスト)は、大気中の全粒子状物質の主要な構成物質の1つである。砂漠の粉塵の発生は、大気質を悪化させ、喘息の増悪や死亡率の上昇など、健康への悪影響をもたらし得る。ヨーロッパのいくつかの地点では、最近の数十年間で、砂漠で発生し輸送されてくる粉塵の強度と頻度が増加している。しかし、こうした増加がヨーロッパ全土で一貫しているのか、また、この増加の背後にある主な駆動因子が砂漠化と乾燥化なのか、それとも大気循環の変化なのかは、まだよく分かっていない。今回我々は、ヨーロッパ各地の観測点で得られた日ごとの金属粉塵濃度のデータベースをまとめ、輸送された粉塵のロバストな元素比を確立した。我々は、このデータベースを用いて、2012〜2021年の日ごとのPM10(直径10 μm以下の粒子状物質)の粉塵濃度を推定する機械学習モデルを開発し、北ヨーロッパと中央ヨーロッパの値を2.09 ± 1.05 μg m−3、南ヨーロッパの値を5.28 ± 2.65 μg m−3と見積もった。南ヨーロッパでは、住民は平均して9.68 ± 4.85 μg m−3の輸送された粉塵イベントにさらされており、これは、日死亡率0.67 ± 0.02%の上昇と関連付けられた。過去10年間の粉塵の侵入の増大は、大気循環の変化と関連していた。アルプスの氷床コアの記録から得られたデータは、粉塵濃度が産業革命以前から110%増加したことを示しており、その大半は北アフリカの砂漠化と関係していた。気候変動が土地の劣化を加速し、気象パターンに影響を及ぼすにつれて、粉塵汚染の悪化は公衆衛生と大気質の目標に対するリスクを高める可能性がある。

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