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電池:単相の勾配溶媒和電解質によって安定化されたLi金属電池
Nature 655, 8123 doi: 10.1038/s41586-026-10732-z
エーテル系電解質は、リチウム(Li)金属電極向けに大きな成功を示してきた。しかし、高電圧フルセルの充電過程では、正極から放出されたLiイオンを受け入れるために溶媒とアニオンが脱溶媒和することで、電解質の酸化的分解が悪化する。加えて、長時間サイクルにわたって成分が継続的に消費されることで、溶媒和構造が大きく変化し、結果的に酸化還元安定性が低下する。今回我々は、アニオンリッチなエーテル系電解質に、標的化配位子貧溶媒(TLAS)を組み込んだ。TLASは、定常状態では会合能が比較的弱いため、Li+の溶媒和にほとんど関与しない。高電圧フルセルの強い電場の下では、TLASの配向と分布が大きく変化し、正極表面で配位能が活性化される。TLASが媒介する動的溶媒和挙動は、従来の電解質系につきものの正極表面での溶媒とアニオンの脱配位と再配位を回避し、電解質の再構築と界面相の劣化を最小限にする。我々は、この勾配溶媒和電解質を利用して、450 Wh kg−1のLi金属パウチセルを開発し、750サイクルを超える長サイクル寿命(80%の容量保持率)を達成した。さらに我々は、605 Wh kg−1という高エネルギー密度を持つLi金属パウチセルで検証を行い、150サイクルで96%の容量保持率を達成した。今回の勾配溶媒和戦略は、金属イオン電池の電解質設計手法に実現可能な道筋をもたらすものである。

