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気候科学:中規模の火山噴火と極端な山火事が成層圏を加湿する
Nature 655, 8123 doi: 10.1038/s41586-026-10731-0
成層圏水蒸気(SWV)は、全球の気候と成層圏のオゾン化学の両方に影響を及ぼす重要な温室効果ガスである。SWVの存在量は、気候の自然変動によって強く調節されている。火山噴火は、対流圏界面の昇温を通して成層圏を加湿すると長らく予想されてきたが、観測的な裏付けは不足していた。今回我々は、2005年以降の中規模の火山噴火と極端な山火事がSWVを系統的に増加させてきたことを示す観測的証拠を提示する。両者は、エアロゾルによって誘起される対流圏界面の昇温を通して寄与するが、極端な山火事からは、水蒸気を成層圏へと輸送する追加的な上昇経路が明らかになった。人工衛星観測と気候モデルシミュレーションの相補的解析によって、83 hPaの気圧面でSWVが約0.1 ppmv増加し、2005~2021年に7600万~2億300万トンの水蒸気が蓄積したことが明らかになった。この寄与は、この期間に観測されたSWV傾向の36 ± 7%を説明し、これは、全球の地表気温の上昇による寄与に相当する。地表気温の傾向、中規模の火山噴火、極端な山火事事象によって誘起されたSWVの変化を合わせると、2000年頃に観測されたSWVの突然の10%の減少は実質的に相殺される。従って、中規模の火山噴火と極端な山火事に由来する断続的なエアロゾルの摂動が、これまで見過ごされてきたSWV変動の駆動要因として浮かび上がった。成層圏組成、放射強制力、オゾン回復の将来予測では、特に温暖化する世界では極端な火事が増大することから、こうしたエアロゾル媒介過程を考慮に入れるべきである。

