ペロブスカイトLED:異性体の多重水素結合による青色ペロブスカイトLEDの実現
Nature 655, 8123 doi: 10.1038/s41586-026-10723-0
ペロブスカイト発光ダイオード(PeLED)においては目覚ましい進歩が見られるにもかかわらず、青色PeLEDのエレクトロルミネッセンス性能は依然として大幅に後れを取っており、鮮やかなフルカラーディスプレイへのPeLED技術の幅広い応用の制約となっている。青色発光体のより広いバンドギャップは、対応するエレクトロルミネッセンスデバイスにおいてより高い動作電圧を必要とするため、イオン性を有するペロブスカイトの八面体の不安定性が増強される。今回我々は、異性体分子を用いてペロブスカイトの内部と界面に水素結合ネットワークを構築することによって、彩度の高い青色発光を示す高効率の安定なPeLEDを実現したことを報告する。正孔輸送層と発光体の間のO-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(OBCl)が水素結合ドナーとして作用し、ペロブスカイトの無機骨格に結合して、ペロブスカイトの構造安定性を高め、大きな双極子モーメントに起因して正孔のエネルギー障壁を低下させる。ペロブスカイトに添加した異性体のN-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(NBCl)は、OB+およびペロブスカイトと水素結合を形成するアクセプター部位およびドナー部位を提供する。異性体分子によるこの水素結合は、OB+界面分子によって誘起されるペロブスカイト膜の優先的な配向を強化し、キャリア移動度を向上させるとともに材料の安定性をさらに増強する。我々は、その結果として、463 nmで16.8%、468 nmで22.0%という外部量子効率を示し、デバイス安定性も大幅に改善された青色PeLEDを実証した。これは、純青色および深青色のPeLEDの中で最高水準の性能を示すものである。

