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がん治療:HuRの分子接着性分解剤はBRAF変異型大腸がんを抑制する

Nature 655, 8123 doi: 10.1038/s41586-026-10613-5

BRAFの機能獲得変異、特にBRAF(V600E)は、大腸がん(CRC)の全患者の約10%に見られ、治療介入が限られており、予後不良を示唆する。エンコラフェニブなどのBRAF阻害剤は、BRAF二量体化によって駆動されるMAPK経路の再活性化のため、効果が不十分である。BRAFとEGFRの同時阻害は、承認された治療法であるものの、生存延長効果は短く、治療抵抗性や再発が生じることが多い。今回我々は、合理的な化合物ライブラリー設計と並行プロテオミクススクリーニングを組み合わせることにより、腫瘍の増殖、浸潤、治療抵抗性を駆動するRNA結合タンパク質であるHuR(human antigen R)の分子接着性分解剤として、dHuRを特定した。三者複合体のクライオ電子顕微鏡構造によって明らかになったのは、dHuRはCRBNユビキチンリガーゼに結合し、ベンゾフラン部分が係留された独特の複合表面を形成することで、HuRのβヘアピンGループデグロンを引き込み、HuRをネオ基質として動員するということである。dHuRは、BRAFのエキソン18スキッピングを誘導することでBRAF発現が起こらないようにし、BRAF阻害剤への抵抗性を獲得しているものを含むBRAF変異型CRC腫瘍に対して、優れた抑制効果を示した。さらに、キノームライブラリーのCRISPRスクリーニングによって、EGFRあるいはMEKの不活化がdHuRの細胞毒性を増強することが明らかになり、従って、難治性BRAF変異型CRC患者を治療するための併用戦略が確立された。

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