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微生物学:天然のデプシペプチド抗生物質は細菌リボソームのE部位に結合する

Nature 655, 8123 doi: 10.1038/s41586-026-10589-2

抗生物質耐性危機に対する取り組みにおける重要な課題は、新規の抗菌化合物を特定することである。菌類や細菌、特に放線菌が産生する天然物は、過去80年間にわたって発見された大部分の抗生物質の供給源だったが、それらは、既知の薬剤骨格の再発見となることが多いため、注目されなくなっている。抗生物質を産生する放線菌は探索し尽くされ、新規性がほとんど残されていないというのが現在の認識である。本論文で我々は、これまで見逃されてきた微量な産物を濃縮する改良型分画法を用いることで、既に十分研究されている抗生物質産生放線菌株からも、ユニークな作用様式を有する新たな化学骨格が得られることを示す。土壌細菌由来の天然物抽出物ライブラリーを分画することによって、よく知られた抗生物質オキシテトラサイクリンの産生菌であるストレプトミセス属細菌Streptomyces rimosusが、環状のデプシペプチド抗生物質を産生することが分かり、我々はこれをマニコマイシン(manikomycin)と命名した。マニコマイシンは腸内細菌科の多剤耐性菌を殺傷でき、臨床で使用されている抗生物質に関連する耐性の影響を受けない。生化学的解析、遺伝学的解析、構造学的解析によって、マニコマイシンは細菌リボソーム大サブユニットのE部位に結合して、tRNAの3′末端がE部位に進入するのを妨げて、配列状況特異的な様式でタンパク質合成のトランスロケーション段階を効果的に阻害することが明らかになった。我々の知る限り、マニコマイシンはリボソーム大サブユニット内の、重要だがこれまでに調べられていなかったE部位を標的とする最初の抗菌剤であり、新規抗生物質開発のリード化合物としての価値があることを示している。

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