微生物学:ストレプトミセス属のメガクラスターは相乗作用のあるビオチン標的化抗生物質をコードする
Nature 655, 8122 doi: 10.1038/s41586-026-10647-9
天然物はいまだ抗生物質の主要な供給源だが、発見の取り組みでは従来、生合成遺伝子クラスターを個々の生物活性分子の供給源として扱ってきた。微生物はむしろ、協調して働く複数の代謝物による系をコードし得ることを示唆する証拠が増えているが、そのような系の遺伝的構造や生物学的論理については、まだほとんど明らかにされていない。本論文で我々は、ストレプトミセス属の種(Streptomyces spp.)は、ビオチン結合性タンパク質であるストレプトアビジンと共に、構造的に異なる4つの天然物ファミリー、すなわちストラビジン、アシドマイシン、ダパマイシン、2-メチル-7-ケト-8-アミノペラルゴン酸(α-Me-KAPA)を産生する、高度に保存された生合成メガクラスターをコードしていることを示す。これらの成分は、酵素阻害、プロドラッグの活性化、補酵素の模倣、ビオチンの隔離といった相補的機構を介して、細菌のビオチン代謝に集中して作用する。コードされているこれらの代謝産物は共産生され、グラム陰性細菌およびマイコバクテリア全般に対して相乗的に作用する。また、多剤耐性大腸菌(Escherichia coli)感染マウスモデルでは、ストラビジンS2とα-Me-KAPAの併用により有効性の増強が示された。このメガクラスターは、保存された代謝経路に対して自然に進化した併用療法として機能する、遺伝的にコードされた化学的な武器庫の存在を明らかにしている。より広義には、我々の知見は、高次の生合成構造が、見落とされていた抗生物質機構のプールであることを示唆しており、また、単独の天然物を見つけ出すことから天然の相乗作用系を再構築することへの移行を支持している。

