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神経疾患:X連鎖の長鎖ノンコーディングRNAであるPTCHD1-ASと自閉症の中核的な特徴

Nature 655, 8122 doi: 10.1038/s41586-026-10515-6

自閉スペクトラム症(ASD)の遺伝子検査では、約100の遺伝子あるいはコピー数多型が用いられている。確立されたASD遺伝子はタンパク質をコードしており、関連する表現型は通常、自閉症で見られる社会行動的形質にとどまらず、認知面・医学面の複雑性や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などにも及んでいる。今回我々は、ASD症例9349例と対照例8332例の全ゲノム塩基配列解読データを調べ、長鎖ノンコーディングRNAであるPTCHD1-ASがASD感受性遺伝子であることを示唆するX染色体微小欠失を持つASDの男性27人を特定した(オッズ比 = 2.56、P = 0.01)。進化的に保存されているエキソン3の破壊または欠失により作出された2系統のPtchd1-asノックアウトマウスモデルでは、雄マウスにおいて、反復行動の増加、社会的行動およびコミュニケーションの障害などのASD様の特徴が見られたが、認知的併存疾患あるいはADHD様行動は見られなかった。ノックアウトマウスでは、海馬依存性のシナプス機能、複雑な学習、運動活動は影響を受けていなかった。核に濃縮されている内在性のマウスPtchd1-asは、ASDに関与する、主にGABA作動性の脳領域である背側線条体において、生後7日目以降持続的な発現を示した。マルチオミクス解析から、ミエリン形成とシナプス可塑性に影響を及ぼす、線条体のオリゴデンドロサイト、アストロサイト、ニューロンにおけるトランスクリプトームの変化が明らかになった。Ptchd1-asの破壊は、従来型プロテインキナーゼC(cPKC)アイソフォームの減少、SRCおよびGSK-3α/βのリン酸化の変化、線条体シナプス可塑性(長期増強および長期抑圧)の亢進につながった。総合的にこれらの知見は、ASDの病因には、線条体におけるPTCHD1-ASを介した分子レベルおよび回路レベルの調節異常が関与していることを示唆している。

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