神経生理学:細胞系譜と器官シグナルは器官内在神経系を連続的に構築する
Nature 655, 8122 doi: 10.1038/s41586-026-10490-y
器官内在神経系(OINS)は、身体–脳軸の重要な構成要素であり、内臓器官の機能と全身の生理学的制御を調和させている。その重要性にもかかわらず、これらの異なる神経構造が共通の神経堤細胞起源から生じる仕組みは、依然として不明である。本研究で我々は、心臓、膵臓、腸、肺にわたって、細胞系譜追跡、3D画像化、単一細胞トランスクリプトミクス、遺伝学的摂動を統合し、OINS発生を器官横断的な系レベルで解析した結果を報告する。神経堤細胞の移動軌跡の違いが、OINSの空間構造をあらかじめ形作り、これが器官特異的パターン形成の基盤となっていることが示された。対照的に、分子的アイデンティティーは主に局所環境に応答して生じ、これは、外因的合図が主要な指令的役割を担っていることを示唆している。我々は、in vitroでの共培養を用いて、器官由来の合図が内在性ニューロンを器官特異的転写プロファイルへと再プログラム化してニューロン分化を方向付けること、そして、その中心となる媒介役が細胞外マトリックス(ECM)との接触であることを実証する。in vivoでは、ECM–インテグリンシグナル伝達が心臓内在ニューロンの発生を支えており、ECMの架橋がそれらの定型的な神経節組織化を安定化させていた。まとめるとこれらの知見から、OINSの多様性は、細胞系譜プログラムが空間的枠組みをあらかじめ形作る一方で、器官特異的な合図が最終的な分子アイデンティティーと構造的正確性を指令する、という二重の論理によって生じることが明らかになった。本研究は、器官が自らの神経系を能動的に構築する仕組みについての概念的パラダイムを確立し、身体と脳の統合の根底にある原理を明らかにしている。

