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生物地球化学:岩石の風化は永久凍土融解によって生じる河川CO2放出を相殺し得る
Nature 655, 8121 doi: 10.1038/s41586-026-10664-8
気候変動がもたらす永久凍土の融解によって、大量に蓄積されている有機炭素が解放され、それらは無機化され、河川から大気へ二酸化炭素(CO2)として放出される。同時に、温暖化と永久凍土融解は鉱物風化速度を高める可能性があり、これによって無機炭素の放出と隔離に影響が及ぶ。しかし、こうした生物学的炭素循環と地質学的炭素循環がどのように相互作用し、永久凍土河川におけるCO2の動態(すなわち、吸収と放出の比)にどのように共同して影響を及ぼすのかはまだよく分かっていない。今回我々は、CO2放出、有機溶質と無機溶質の濃度、二重炭素同位体(δ13C–Δ14)、地球化学的モデル化を組み合わせて、青海チベット高原全域で、永久凍土融解が数十年から数世紀にわたって河川の生物地球化学的性質にどのような影響を及ぼす可能性があるかを推測した。我々は、永久凍土の熱的劣化の勾配を利用して、永久凍土の被覆が減少するにつれ、河川のCO2放出量が減少する一方、岩石の風化による溶質フラックスは増大することを見いだした。この地域の全域で、岩石の風化による正味のCO2吸収フラックスは、河川のCO2放出量の約35%であり、連続的な永久凍土の集水域の約15%から、非連続的または孤立した永久凍土の集水域の100%以上まで幅があった。従って、永久凍土融解が進行するにつれて、化学的風化による炭素フラックスはますます重要になり、河川のCO2放出量を上回る可能性すらある。今回の知見は、雪氷圏と全球炭素循環に重要な、生物学的炭素フラックスと地質学的炭素フラックスの相互作用を解きほぐすものである。

