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神経科学:海馬–脳梁膨大後部軸での部分空間コミュニケーション
Nature 655, 8121 doi: 10.1038/s41586-026-10481-z
海馬回路が入力を下流への出力に変換する能力は、ナビゲーションと記憶の基礎を成しているが、経験に対する適応のこの柔軟性を可能にする回路レベルの機構は未解明である。今回我々は、行動中のマウスで、海馬–脳梁膨大後部皮質(RSC)回路全体にわたる大規模(最大1024チャネル)の記録を行い、歯状回(DG)、CA3、CA2、CA1、RSCの発火活動の同時取得を可能にすることで、この問題に取り組んだ。偏正準相関分析と呼ばれる線形次元削減手法に基づいて、第三の領域からの影響を考慮しながら、2つの領域間の低次元コミュニケーション部分空間を特定した。これらの部分空間は、上流の海馬(DG、CA3、CA2)の活動を下流の皮質標的(RSC)に結び付ける、CA1領域における別個の入出力変換を捉えていた。固有の発火特性と解剖学的位置は、各ニューロンがどの部分空間に所属するかを制約しており、構成ニューロンは空間課題と非空間課題のいずれにおいても、CA3–CA1–RSC軸の深層サブ層にマッピングされた。これらの部分空間は、重なり合ったニューロンプールを再結合して、変化する経験や脳状態にわたって別個の領域間相互作用を支えることができた。経験後睡眠中のCA1–CA3部分空間の再活性化パターンは経験のリプレイと相関していたが、CA1–RSCの部分空間では再活性化パターンは相関しておらず、これは、海馬–脳梁膨大後部軸に沿った入出力変換における可塑性と安定性のバランスを反映している。今回の知見は、海馬–新皮質間コミュニケーションが、既定の回路モチーフを再編成することで、経験を柔軟に符号化するというモデルを示唆している。

