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進化学:中国各地の6体のホモ・エレクトス標本から得られたエナメル質タンパク質

Nature 655, 8121 doi: 10.1038/s41586-026-10478-8

ホモ・エレクトス(Homo erectus)の遺骸はアフリカ、ユーラシア、東南アジアで発見されており、それらの年代は約200万年前にさかのぼる。しかし、年代の古さとその保存状態のために、そうした遺骸から有益な分子データを得ることは困難なことが分かっている。今回我々は、中国の周口店遺跡、和県遺跡、孫家洞遺跡から出土した、約40万年前の中期更新世の男性5体と女性1体のホモ・エレクトス標本から、古代のエナメル質タンパク質を抽出することに成功し、それらの解析を行った。その結果、3つの遺跡に由来する全ての標本に共通するアミノ酸バリアントが2つ見つかった。このうち、アメロブラスチン(AMBN)のA253Gはこれまで知られていなかったもので、ジョージア・ドマニシ遺跡のホモ・エレクトス、スペイン・アタプエルカ遺跡のホモ・アンテセッサー(Homo antecessor)、デニソワ人、ネアンデルタール人、現生人類を含む他の人類系統でも確認されたことのないものであった。もう一方のバリアントAMBN(M273V)は、以前デニソワ人で見つかっていたもので、今回の証拠は、AMBN(M273V)がこれらの中期更新世のホモ・エレクトスに関連する集団を通じてデニソワ人系統に導入された可能性を示している。デニソワ人ゲノムの超古代型の遺伝子移入に由来するとされる領域(その一部は後に現生人類に受け継がれた)は、ホモ・エレクトスに起源を持つ可能性が高い。中期更新世後期のホモ・エレクトスは、こうした交流が起こったと推定される東アジアの一部地域でデニソワ人と共存していた可能性がある。

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