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光計測学:ロックイン限界を打破するカイラルレーザージャイロスコープ
Nature 654, 8120 doi: 10.1038/s41586-026-10684-4
リングレーザージャイロスコープ(RLG)は、サニャック効果(共振器内を互いに逆方向伝播する2本のビームのわずかな周波数差)によって回転を測定する。しかし、低い回転速度では、ロックイン現象として知られるRLG固有の限界がこの効果を相殺し、RLGが運動センサーとして幅広く採用されることを妨げている。この現象を回避するこれまでの取り組みに、機械的ディザリングや磁気光学的な非相反性技術などがあるが、そのような技術には、RLGの小型化を制限する外部部品が必要だった。今回我々は、挿入部品なしで、He–20Ne RLGにおいて、カイラルな自発的対称性の破れと非線形の周波数引き込み現象を通じてこの限界を克服する、自己バイアス法を提示する。今回の実験では、自発的対称性の破れを伴う相転移条件と、双安定カイラル状態のダイナミクスを明らかにする理論モデルに支えられ、回転方向と同期した決定論的なカイラリティーの切り替えが実証された。注目すべきことに、このカイラルRLGは、ほぼゼロの回転速度で線形の周波数応答を示し、10秒の積分時間で1時間当たり2.2 × 10−2度の開ループのバイアス不安定性を達成した。今回の成果は、全固体型で高精度の小型レーザージャイロスコープの開発に向けた戦略を提示するものであり、フォトニック系における非線形ダイナミクスと自発的対称性の破れの相互関連を探究するためにも使用できる可能性がある。

