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多孔質材料:メソ多孔質ポリアクリロニトリル膜による原油の分別

Nature 654, 8120 doi: 10.1038/s41586-026-10677-3

常圧蒸留と真空蒸留は、年間1100 TWh以上の電力量を消費し、年間の二酸化炭素(CO2)換算排出量は1億6000万トンを超えている。そのため、膜を用いた事前分別は、石油精製のエネルギーと炭素強度を低減するための有力なレトロフィット戦略となる。今回我々は、一般的には支持層として用いられる多孔質ポリアクリロニトリル(PAN)膜によって、定常状態で原油の効果的な分子精製が実現されることを実証する。接線流の下で、PAN膜は、最高0.591 ± 0.040 l m−2 h−1 bar−1という高い原油透過度を示した。これは、以前のベンチマーク(< 0.1 l m−2 h−1 bar−1)と比較して23倍以上であり、また、ナフサやケロシンなどの軽質炭化水素留分が選択的に高濃度で得られた。この予想外の選択性は、当初は約15 nmであった表面メソ孔内に重質炭化水素が動的に沈着し、これによって孔の直径が2 nm未満まで狭まることに起因している。深さ分解化学同定によって、n-アルカンの選択的蓄積が明らかになり、選択的輸送経路を安定化させる自己制限型の細孔狭窄機構が示唆された。いったんn-アルカン沈着が安定化すると、原料原油の選択的濃縮が起こり、安定性が4週間にわたって維持された。プロセスシミュレーションによって、PAN膜を用いた事前分別では、従来の常圧蒸留と比べて、エネルギーを31.6%、冷却水を20.7%、CO2排出を37.6%削減できる可能性があることが示された。

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