Article
人工知能:科学者による専門家レベルの実証的ソフトウエア作成を支援するAIシステム
Nature 654, 8120 doi: 10.1038/s41586-026-10658-6
科学的発見のサイクルは、計算実験を支援するソフトウエアを手作業で作成する過程に時間がかかることが、しばしばボトルネックになっている。今回我々は、この問題に対処するために、品質指標を最大化することを目標として、専門家レベルの科学ソフトウエアを作成する人工知能(AI)システムである、Empirical Research Assistance(ERA)を提示する。ERAは、大規模言語モデル(LLM)と木探索を用いて、品質指標を体系的に改善し、考え得る解の広大な空間をインテリジェントに探索する。ERAは、外部ソースから複雑な研究アイデアを探索して統合した場合に、専門家レベルの結果を達成した。木探索の有効性は、多様なタスクにわたって実証された。バイオインフォマティクス分野では、ERAは単一細胞データ解析のための40の新しい方法を発見し、それらは公開リーダーボード上で、人間が開発した最上位の方法を上回った。疫学分野では、ERAは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院予測について、米国疾病管理予防センター(CDC)のアンサンブルモデルおよびその他の全ての個別モデルを上回る14のモデルを生成した。ERAはさらに、地理空間解析、ゼブラフィッシュの神経活動予測、積分の数値解法のための専門家レベルのソフトウエアに加え、時系列予測のための新しいルールベースの構築法も生み出した。ERAは、多様なタスクに対して新しい解決策を考案し実装することを通じて、科学の進展を加速させるための注目すべき一歩を示している。

