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神経生物学:発生中のニューロンでは、隘路遊走が非致死性のDNA損傷を引き起こす
Nature 654, 8120 doi: 10.1038/s41586-026-10648-8
遊走細胞は、変形して狭い空間を通り抜けられるような柔らかい核を持つ傾向がある。がん細胞の遊走中に起こる核の大規模な変形は、核膜の破裂やDNA損傷を引き起こして、悪性形質転換に寄与する可能性があると考えられている。しかし、生理的な遊走におけるDNA損傷の重要性については、がんの場合ほどよく分かってはいない。今回我々は、発生中の大脳皮質および小脳皮質におけるニューロンの遊走に伴って、狭い間質内空間を通り抜ける際の機械的ストレスによって多数のDNA二本鎖切断(DSB)が生じることを明らかにする。しかし、他の多くの遊走細胞とは対照的に、これらのDSBでは核膜の破裂は検出されなかった。ニューロンの隘路遊走では、トポイソメラーゼIIβが共有結合したDSBが増加するが、脳発生中にこれらの損傷は非相同末端連結によって修復され、細胞死は起こらない。またゲノム塩基配列解読法によって、DSBは転写的に不活性なゲノム領域に起こる傾向があることが明らかになった。ニューロン遊走が開始される時期にリガーゼIVを欠失させると、小脳ニューロンでDSBが蓄積し、シナプス機能、ニューロン発生、ストレス応答、免疫応答に関係する遺伝子の転写が変化した。この変異マウスでは成熟後に軽度の進行性運動障害が発生することから、正常な脳の発生の際に生じたDNA損傷が修復されずに残ると、疾患のリスクとなり得ることが示唆される。

