持続可能性:サハラ以南アフリカにおいて鉱業が引き起こす広範な追加的森林減少
Nature 654, 8120 doi: 10.1038/s41586-026-10551-2
サハラ以南のアフリカを供給源とする鉱物の需要が、急速に拡大している。鉱業の拡大は、管理が不十分であれば、アフリカ大陸全域の熱帯林にとって大きな脅威となる。本研究で我々は、森林減少後の土地利用に関するアフリカ大陸全域のデータと差分の差分法の堅牢な枠組みを用いて、2001~2020年における1万6627の採鉱地の影響を評価することで、アフリカ各地の密林における鉱業に起因する森林減少に関する時空間的評価を行った。その結果、鉱業に起因する直接の森林減少、すなわち、採掘坑や尾鉱池(テーリングポンド)、ズリ山(廃石堆積場)など、採鉱活動に直接関連する特徴に起因する森林減少は、計18万7000 haに上ることが明らかになった。また、鉱業により、採鉱地から1 km以内の森林減少が、非採鉱地域と比べて8.0パーセントポイント(pp、95%信頼区間〔CI〕:7.2~8.9 pp)増加したと見積もられた。森林減少レベルの増加(1.1 pp、95% CI:0.7~1.5 pp)は、10年経過後も、採鉱地から20 kmまでの地域で持続していた。鉱業は、採鉱地の占有に起因する直接的な森林減少1 haにつき、区域外では農業や居住地形成などの付帯的活動を通じて5年以内に平均34 haの追加的な森林減少を引き起こしていた。主要なエネルギー移行鉱物(ETM)であるコバルトや銅の採鉱地は、追加的森林減少の規模が最も大きかった。重要鉱物の採鉱において森林減少ゼロやノーネットロス(正味損失ゼロ)のサプライチェーンを確実なものとし、サハラ以南アフリカで将来の鉱業に起因する森林減少を減少させるには、新たな採鉱計画の環境影響評価に区域外の森林減少のレベルを組み込むことが重要となる。

