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ナノスケール材料:電子–正孔2層系における2成分励起子凝縮体
Nature 654, 8119 doi: 10.1038/s41586-026-10636-y
ボソンが凝縮してボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)になると、巨視的な量子コヒーレンスが出現する。励起子は、強い相互作用と電気的チューニング、そして潜在的な多成分スピノル秩序により固体版の高温BECの手段として長らく考えられていたが、平衡凝縮を支持する決定的な証拠は依然として得られていなかった。今回我々は、構成要素である電子と正孔のスピン–バレー感受率を調べることにより、MoSe2/hBN/WSe2電子–正孔2層における2成分励起子BECを支持する証拠を報告する。このヘテロ構造には、4つのスピン–バレー・フレーバーを伴う平衡励起子流体が存在する。希釈冷凍機中における磁気光学分光法により、異なるフレーバー分極を伴う3つの励起子凝縮体相が明らかになった。ゼロ磁場では、多体基底状態は、凝縮した2つのバレー内励起子フレーバーのコヒーレントな重ね合わせである。磁場下では、バレー内励起子凝縮体は、まず弱い臨界磁場での一次量子相転移を経て2成分のバレー間凝縮体へと変化し、次いで高磁場で、完全に分極した単一成分凝縮体へと変化する。こうした凝縮体の特徴は、密度–温度空間においてドームを形成し、約1.8 Kまで持続した。今回の結果は、ファンデルワールス電子–正孔2層が、強く相互作用する多成分励起子BECのための汎用性の高いプラットフォームであることを確立するものである。

