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原子干渉法:基礎物理学のためのプロトタイプ差動原子干渉計
Nature 654, 8119 doi: 10.1038/s41586-026-10617-1
重力波や超軽量暗黒物質は、基礎物理学における最も魅力的な未開拓分野の1つであり、地上や宇宙空間のレーザー干渉計が感度を失う周波数領域での検出を目指す、AION、MAGIS、AICE、AEDGEといった超長基線原子干渉計が提案される動機となっている。超長基線原子干渉計は、共通のレーザーで照射された、互いに大きく離れた原子集団の量子位相の発展を比較することで信号を探る。しかし、その性能は、雑音源、特にレーザー位相雑音の抑制に大きく依存している。このような雑音棄却を実験的に検証することは、依然として重要な課題である。今回我々は、フェルミオンである87Srの単一光子時計遷移を用いたプロトタイプ差動原子干渉計を実証する。これにより、キロメートルスケールおよび宇宙空間における基線での運用に本質的に適した核種を用いた勾配計構成が得られた。この装置は、原子ショット雑音を上回る超過雑音なしに、標準量子限界で動作する。この差動構成は、超長基線原子干渉計に期待される条件を模倣する、1ショット当たり数ラジアンの人工的に注入されたレーザー位相雑音の存在下で、量子限界感度を維持した。我々はまた、位相を完全に乱雑化した条件下においても、広範な周波数範囲にわたってコヒーレントな振動信号の復元が可能であることを実証した。これは、同じ領域で動作する単一の干渉計では達成不可能な性能である。これらの結果は、超長基線原子干渉計の基礎となる耐雑音性測定原理を実験的に検証するものであり、重力波検出や超軽量暗黒物質の探索に向けた次世代量子センサー開発の重要な一歩となる。

