Perspective
気候科学:海水準上昇に対する南極の寄与に現れる十年規模の予測可能性
Nature 654, 8119 doi: 10.1038/s41586-026-10614-4
南極氷床の将来の質量損失には大きな不確かさが伴うにもかかわらず、氷床モデルは、排出経路やモデルの複雑性に関係なく、2025年における南極の氷損失に起因する海水準上昇速度から、その後の数十年間の海水準上昇速度が強く予測されることを示している。この知見は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書の全球平均海水準上昇予測において考慮された、可能性は低いが影響の大きい海水準上昇シナリオを含む全てのモデルにわたってロバストである。このような強力で短期的な十年規模の予測可能性を考慮すると、現在の氷質量損失を正確に再現できる氷床モデルによって、今世紀半ばまでの短期的な海水準計画と適応策のための信頼できる基盤が得られる。海洋氷床の後退に関連するものなどのフィードバックが現れ始め、それが氷損失の加速につながるため、この予測可能性は21世紀末までには成り立たなくなる。今回我々は、これらの結果に基づいて、短期の十年規模の予測可能性から、フィードバックによって駆動されるより長期的な変化への移行を説明できる主要なフィードバック機構を特定し、長期的な海水準上昇の不確かさを解消することを目指した氷床モデル開発の優先課題を提案する。

