タンパク質データベース:マイクロタンパク質とペプチダインがヒトプロテオームを拡張する
Nature 654, 8119 doi: 10.1038/s41586-026-10459-x
科学を進める大きな力の1つは、タンパク質をコードするゲノムの特徴を明らかにすることである。ゲノムはヒトの健康を研究するための主要な基盤であるが、これまでの解析で何が見逃されてきたのかという、根本的な疑問が残っている。この十年来、非カノニカルなオープンリーディングフレーム(ncORF)の翻訳はヒトのさまざまな細胞タイプや疾病状態にわたって観察されており、生物医科学的に重要な意味を持っている。しかし、どのncORFがヒトのプロテオームに寄与する小型のマイクロタンパク質や代替タンパク質分子を作るのかという重要な問題は解明されていなかった。本論文で我々は、ncORFのタンパク質レベルの証拠に関して共通の認識を得ようと、TransCODEコンソーシアムが協同して行った研究について報告する。9万5520のプロテオミクス実験の大規模な解析によって、7264個のncORFの約25%から、検出可能なペプチドが生じることが分かった。我々は、ncORFにコードされたマイクロタンパク質をヒトタンパク質として注釈付けするための枠組みを作り、(未確定だが)機能するタンパク質である可能性を持つマイクロタンパク質として、「ペプチダイン」という新たな概念モデルを体系化した。ペプチダインの生物学的な意味を調べるため、我々は、進化解析手法を開発してこれをORF相対的分岐長(ORBL)と命名し、進化上の制約が広く見られること、そしてそれがncORF由来ペプチドの観察と関連していることを明らかにした。さらに、OLMALINC長鎖非コードRNA由来の1種類のペプチダインについて、共通する必須の細胞表現型を明らかにした。全体として我々は、GENCODEとPeptideAtlasに裏付けられた公開の研究ツールを作製するとともに、ヒトプロテオームのこれまで研究されていなかった成分の生物医学的発見を進展させている。

