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神経科学:複雑なCNSネットワークのミエリン鞘形成を可能にする柔軟な軸索包接様式
Nature 654, 8119 doi: 10.1038/s41586-026-10312-1
中枢神経系(CNS)においてオリゴデンドロサイトによって形成されるミエリン鞘は、回路機能と神経の健康に不可欠である。これらの絶縁鞘の分布は、脳の領域、ニューロンのサブタイプ、個々の軸索の間で大きく異なるが、そのパターンの形成を制御する機構はよく分かっていない。これまでの研究では、オリゴデンドロサイトの突起の1つ1つが単一のミエリン鞘を形成すると示唆されていたが、その軸索包接様式は、複雑な回路内で高度に分岐した軸索に沿ったミエリン鞘形成を著しく制限する。今回我々は、ゼブラフィッシュとマウスで、ミエリン鞘形成中の各突起による軸索包接が、軸索に沿った各部分で異なる速度で進むことを見いだした。これによって、単一のオリゴデンドロサイト突起が、包接開始前に軸索分岐点やランビエ絞輪を越えて伸長することが可能となり、その結果、細い細胞質突起によって連結されたミエリン鞘鎖が形成される。大脳皮質では、これらの「傍節架橋」は、個々のオリゴデンドロサイトが作り出すミエリンの領域を、パルブアルブミン介在ニューロンの高度に分岐した軸索に沿って広げる。この柔軟な包接方式は、オリゴデンドロサイトの必要数を減少させるものの、ミエリン鞘鎖の終端は老化した脳においてより頻繁に変性しており、このことは、それらが細胞内および環境のストレスに対してより脆弱であり、ミエリン鞘消失に不釣り合いなほど大きく寄与していることを示唆している。

