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構造生物学:哺乳類卵母細胞の細胞質格子はメガダルトン規模の貯蔵複合体である
Nature 654, 8118 doi: 10.1038/s41586-026-10513-8
哺乳類の卵母細胞は、胚発生に備えて細胞質格子(CPL)と呼ばれる豊富に存在する構造にタンパク質を貯蔵する。この貯蔵を行う仕組みは明らかになっていないが、それは細胞質格子自体の分子組成が知られていないことが大きな原因である。今回我々は、クライオ電子顕微鏡と人工知能をベースとするモデル化によって、マウスの卵母細胞から得た無傷のCPLの分子構造とタンパク質の組成を明らかにした。CPLは少なくとも13種類の異なったタンパク質から形成されており、これらがメガダルトン規模の複合体へと組み立てられ、その中にはPADI6や皮質下母性複合体(SCMC)などの母親由来の作用因子が複数コピー含まれている。さらに、胚の初期発生に不可欠なタンパク質がCLPの構造成分であることが明らかになった。その中には、細胞骨格タンパク質であるαチューブリンやβチューブリン(重合していない二量体としてCLP中に組み込まれている)や、一連のユビキチン化因子(エピジェネティック調節因子でE3リガーゼであるUHRF1、ユビキチン結合酵素E2、ユビキチンリガーゼ基質アダプターなど)が含まれている。我々の知見は、卵母細胞にとって必要不可欠なタンパク質を高度に安定な超分子集合体に直接取り込むことによって貯蔵するという、的確な分子機構を示している。これらの知見によって、貯蔵された母性因子の破壊が不妊や発達異常にどのように結び付くかを理解するための構造的な枠組みが得られた。

