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微生物学:発がん促進性の細菌毒素はクローディン4に結合してE-カドヘリンを切断する
Nature 654, 8118 doi: 10.1038/s41586-026-10375-0
ヒト大腸には、ヒトの健康と疾患に重要な役割を果たす数兆個の細菌が定着している。疫学研究および実験研究から、特定の大腸の細菌が大腸がんの発生と進行を促進し得ることが示唆されている。そのような細菌の1つである腸毒素原性のバクテロイデス属細菌Bacteroides fragilisは、単一の毒素であるB. fragilis毒素(BFT)の作用を通じて大腸での腫瘍形成を駆動する。BFTはメタロプロテアーゼであり、大腸の上皮細胞受容体に結合してE-カドヘリンのエクトドメインの切断を引き起こし、上皮バリア破綻、炎症、細胞増殖の増加をもたらす。しかし、BFT受容体の正体は不明であり、BFTによって開始されるE-カドヘリン切断の分子機構もよく分かっていない。今回我々は、ゲノム規模のCRISPRスクリーニングにより、クローディン4がBFT受容体であることを突き止め、クローディン4への結合が、細胞表面でのBFTを介したE-カドヘリン切断を促進することを実証した。今回の研究は、BFTの作用機構に光を当てるとともに、抗BFT療法の開発への道を開くものであり、これは大腸がんの予防や急性の腸毒素原性B. fragilis感染症の治療に有用である可能性がある。

