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免疫学:mRNAワクチンはCD8+ T細胞のプライミングにおいて従来とは異なる経路を活性化する
Nature 654, 8118 doi: 10.1038/s41586-026-10353-6
mRNAと脂質ナノ粒子(LNP)で構成されたワクチンは、特異的なタンパク質抗原のin vivoでの産生を誘導することによって、B細胞とT細胞を活性化する。B細胞は抗原によって直接活性化することが可能であるが、T細胞の活性化には抗原のプロセシングと、特化した抗原提示細胞(APC)上でのMHC分子による提示が必要となる。ウイルス感染や腫瘍、タンパク質ベースやcDNAベースのワクチンに対する応答において、CD8+ T細胞への抗原提示は、外来抗原の効率的なクロスプレゼンテーションに特化した1型の通常型樹状(cDC1)細胞に特に依存している。しかし、同様の機構がmRNA–LNPワクチン接種でも働いているかどうかは明らかではない。本論文で我々は、mRNA–LNPワクチンはCD8+ T細胞のプライミングにcDC1細胞やWDFY4依存的なクロスプレゼンテーション経路を必要とせず、代わりにcDC1細胞とcDC2細胞の両方を重複して関与させることを報告する。cDC1細胞のみ、あるいはcDC2細胞のみによってプライミングされたCD8+ T細胞は、表現型に違いを示す一方、いずれも抗腫瘍応答や記憶形成を仲介することができた。重要なことに、cDCが非造血系細胞からペプチド–MHC-I複合体を獲得する、いわゆるクロスドレッシングが、I型インターフェロンに依存する形でCD8+ T細胞のプライミングに大きく寄与していた。mRNA–LNPによるクロスドレッシングの誘導は、そのワクチンがコードしていない抗原に対してCD8+ T細胞を活性化できることの説明となるかもしれない。

