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社会神経科学:向社会的行動と養育行動に共通する神経基盤

Nature 654, 8118 doi: 10.1038/s41586-026-10327-8

ヒトも他の動物も、他個体の負の状態を感じ取り、そうした状況を改善すべく向社会的な手伝い行動で対応することができる。向社会的な手伝い行動は、脆弱な新生仔の保護に進化的起源があると提唱されているが、養育行動の根底にある神経基盤が成体個体に向けた手伝い行動に寄与し得るかどうかは、ほとんど分かっていない。今回我々は、より高いレベルの養育行動を示すマウスほど、ストレス下にある成体マウスに対してより向社会的な社会的グルーミング(毛づくろい)を行うことを示す。養育行動に関わる脳領域である内側視索前野(MPOA)は、ストレス下の同種個体に向けた社会的グルーミングを、両方向的に調節していることが分かった。社会的グルーミングと養育行動は、MPOA内で一部重複するニューロン集団を動員し、共にMPOA–腹側被蓋野経路で制御されていて、側坐核でのドーパミン放出と関連していた。我々は、活動依存的な標識法を用いて、養育行動中に活動しているMPOAニューロン集団が、社会的グルーミングにも機能的に必要であることを実証した。逆に、向社会的行動中に活動するMPOAニューロンは、新生仔のグルーミングにも機能上必要だった。まとめるとこれらの知見は、向社会的な手伝い行動の神経回路機構を明らかにするとともに、養育行動と手伝い行動の間には部分的に共通した神経基盤が存在することを示しており、仔の保護のために進化した神経系が、成体間のより広範な向社会的支援の出現に枠組みを提供した可能性を示唆している。

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