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原子核物理学:104Teの超許容α崩壊の直接観測
Nature 654, 8117 doi: 10.1038/s41586-026-10581-w
α粒子の放射能は、原子核内にクラスター構造が存在することの最も説得力のある証拠の1つである。崩壊過程では、あらかじめ存在していたα粒子が、残留核によって形成されたポテンシャル障壁をトンネリングする。2個の陽子と2個の中性子の強結合系であるα粒子の事前形成度は、所与の粒子エネルギーにおけるα崩壊確率を障壁透過率で除算することによって、データから導出される。この事前形成確率は、原子核の閉殻近傍で急激に変化し、これはクラスター形成が核構造と関連していることの直接的な証拠である。事前形成の増強は、最も軽いα粒子放出体、すなわちスズの魔法核同位体へと崩壊する球状のテルルおよびキセノン同位体において観測されている。今回我々は、テルル104(104Te)の崩壊測定から得られた、α粒子事前形成の最も極端な例を示す。104Teの半減期は、7.2+2.3−1.5 nsであることが明らかになった。これは、現在知られている中で最も速い基底状態α放出核である。推測された事前形成から、この増強が他のどの原子核よりも104Teで顕著であることが実証された。我々の観測結果を説明できる1つの核モデルは、α粒子が、原子核表面の核物質密度の低い領域にのみ存在し得ることを仮定している。104Teにおける他に例を見ないほど高い事前形成は、二重魔法核であるスズ100(100Sn)との関係に起因し、これによってα粒子の形成に有利な条件が生み出される。

