老化:哺乳類の老化と死亡率に関するトランスクリプトームの普遍的な特徴
Nature 654, 8117 doi: 10.1038/s41586-026-10542-3
老化と介入によって健康と死亡率は変化するが、この調節の根底にある分子機構については明らかになっていない。本研究で我々は、4種の哺乳類(マウス、ラット、カニクイザルおよびヒト)の25以上の組織に由来する1万1000以上のトランスクリプトームを統合することで、齧歯類および複数種の暦年齢と予想死亡率について正確で解釈可能なバイオマーカーを開発し、寿命を調節する介入、死に至るまでの時間、慢性疾患、若返りの予測を行った。老化に関連した変化は種や細胞タイプを超えて保存されており、CDKN1AとLGALS3など、哺乳類の老化と死亡率に関する普遍的なトランスクリプトームシグネチャーが明らかになった。これらのタンパク質レベルは、英国バイオバンクにおける死亡率および多疾患併存とも関連していた。死亡率に関連した特徴は、炎症、複製老化、代謝阻害、γ線照射など、in vivoとin vitroの損傷蓄積モデル全体で再現され、細胞の不死化、再プログラム化、異時性パラビオーシス、初期胚発生によって、軽減あるいは逆転した。ネットワーク解析により、炎症、インターフェロンシグナル伝達、ミトコンドリア機能、クロマチン修飾、細胞外マトリックス構成など、老化と死亡率に関連した特徴のモジュール構造が明らかになった。我々は、個々の細胞構成成分の老化を定量化するために、モジュール特異的な時計を開発し、これにより介入の経路特異的な影響が明らかになった。慢性疾患は主に炎症モジュールの老化を加速させたのに対し、カロリー制限やKlotho(別名Kl)欠損はミトコンドリアモジュールや代謝モジュールを標的としていた。トランスクリプトーム時計とDNAメチル化時計はヒトの血液において相関した加齢加速を示し、これはクロマチン関連モジュール時計で最も顕著であったことから、分子老化様式間の機構的結び付きが浮き彫りになった。本研究は、死亡率を調節する保存されたシグネチャーとモジュール構造を明らかにし、種や組織を超えて細胞サブシステムの老化を定量化して標的とするための枠組みを提供する。

