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自己免疫:甲状腺自己免疫における免疫チェックポイント変異の多クローン選択

Nature 654, 8117 doi: 10.1038/s41586-026-10493-9

ヒトの免疫系には、自己反応性リンパ球の活性化を防ぐための多数のチェックポイントがある。一部のリンパ球がこれらの制約を逃れて自己免疫疾患を引き起こす仕組みは、まだほとんど解明されていない。長年の仮説では、免疫調節遺伝子の体細胞変異によって、自己反応性リンパ球が寛容チェックポイントを回避できる可能性があるとされているが、この仮説の検証は、技術的な限界からこれまで困難であった。今回我々は、正確な単一分子DNA塩基配列解読プロトコルである、全エキソームNanoSeq(ナノレート塩基配列解読法)および標的化NanoSeqを用いて、自己免疫性甲状腺疾患におけるドライバー変異を包括的に探索した。その結果、多くのB細胞クローンが、主要な免疫チェックポイント遺伝子であるTNFRSF14(別名HVEM)およびCD274(PD-L1をコードする)において機能喪失変異を収斂的に獲得していること、また、他の免疫遺伝子においてもより頻度の低い変異が見られることが分かった。高度に炎症を起こしている生検組織では、数十から数百の独立した免疫チェックポイント変異クローンが検出された。レーザーマイクロダイセクション、メチル化塩基配列解読、空間トランスクリプトミクス、免疫染色、単一核DNA塩基配列解読、抗体合成によって、これらの変異がB細胞に局在していることが明らかになり、一部が自己反応性であることが確認されるとともに、多数の変異を持つクローンが特定された。TNFRSF14の両対立遺伝子性喪失が広範囲に見られ、また、最大4~6のドライバー変異を持つクローンが複数見つかった。各クローンは細胞のごく一部(通常1%未満)を占めるに過ぎないが、ドナー単位では多数の変異型クローンが存在し、全体としてはドライバー変異を持つB細胞のかなりの割合に達する。我々の結果は、自己免疫性リンパ球における体細胞変異によって、そうしたリンパ球が体細胞進化の多クローン性カスケードを介して寛容という制約から逃れられる可能性があるという仮説を裏付けており、自己免疫疾患の分子基盤についての手掛かりをもたらしている。

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