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有機化学:アリールビスマス試薬を用いた求核・求電子両性クロスカップリング
Nature 654, 8117 doi: 10.1038/s41586-026-10486-8
クロスカップリング反応は、従来、遷移金属触媒反応の下でアリール求核剤とアリール求電子剤の間でAr–Ar結合の形成を可能にする。これまでに知られている無数のカップリングの高い選択性は、求核性カップリング剤と求電子性カップリング剤の目的に応じた組み合わせに依存しており、これは、求核剤と求電子剤が根本的に異なる触媒ステップを経るという機構的差異によって可能になっている。今回我々は、遷移金属によって触媒されるクロスカップリングにおいて、求核剤としても求電子剤としても振る舞うことができ、反応性におけるこの二分法的な考えを根本的に打ち破る、求核・求電子両性の(ambiphilic)アリールビスマス試薬を報告する。この試薬の求核・求電子両性の反応性は、化学量論的研究と機構的研究によって実証されたように、遷移金属錯体との酸化的付加過程とトランスメタル化過程の両方に関与する能力に起因している。今回の研究は、単一のアリール試薬がこれら両方の標準的素過程に関与できることを実証することによって、固有の結合極性がクロスカップリング化学における機構的役割を厳密に決定付けるという長年の仮説に異議を唱えるものである。

