細胞生物学:ミオシンの力は機械受容性タンパク質を認識するためにF-アクチンをリモデリングする
Nature 654, 8117 doi: 10.1038/s41586-026-10398-7
細胞は、細胞骨格による接着を介して周囲と機械的に相互作用しており、それによって、発生を指示したり、がんなどの疾患を駆動したりする物理的な合図を感知できる。ミオシンモータータンパク質によって生じる収縮力は、これらの機械的シグナル伝達過程を仲介しているが、タンパク質の構造レベルでの機序は解明されていない。今回我々は、ミオシンによって生じる力がアクチンフィラメント(F-アクチン)の構造変化を引き起こし、それが機械受容性接着タンパク質であるαカテニンの結合を調節することを明らかにする。我々は、相関クライオ蛍光顕微鏡とクライオ電子線トモグラフィーを用いて、ザイキシン(アクチン–ミオシンによって生じる牽引力のマーカー)が豊富な細胞骨格と接着の界面において、ナノメートルスケールで曲率が周期的に変化する正弦波状領域を持つF-アクチンを特定した。クライオ電子顕微鏡を使って、ミオシンによる力がかかっている状態でF-アクチンを可視化する再構築系を取り入れたところ、形態的によく似たF-アクチン超らせんが明らかになった。シミュレーションでは、ミオシンの活性を模倣した圧縮力によって超らせんが生じ、それらは方向性にかかわらず、同期していないモータータンパク質の集団の働きによって生じ得ることが示された。超らせんの三次元的な再構成によって、F-アクチンのらせん格子が広範囲にわたって非対称的にリモデリングされていることが明らかになった。これはαカテニンによって認識されており、αカテニンは個々の鎖に沿って協調的に結合し、サブユニット間の距離が伸長した界面に選択的に利用するのと同時に、回転によるひずみを抑制して格子を規則化する。まとめると我々は、ミオシンの力がF-アクチンを変形させ、これにより、機械受容性タンパク質によって感知され、かつ相互に調節し合うコンホメーショナルな景観が生み出されることを見いだした。これは、細胞骨格を介した能動的な力の変換について構造面からの直接的な知見をもたらすものである。

