Article

超伝導:Euドープ無限層ニッケル酸化物における磁場リエントラント超伝導

Nature 653, 8116 doi: 10.1038/s41586-026-10547-y

超伝導秩序と磁気秩序が相互に絡み合うことでは、磁場誘起超伝導やリエントラント超伝導などのエキゾチックな量子相が生じ得る。しかし、磁場によって増強されるこの超伝導は、より高い転移温度を示す超伝導体ではまだ知られていない。無限層ニッケル酸化物は新しいクラスの非従来型超伝導体だが、希土類磁性が超伝導特性に及ぼす影響はまだほとんど調べられていない。今回我々は、ユウロピウム(Eu)ドープ無限層ニッケル酸化物Sm0.95−xCa0.05EuxNiO2が、Euリッチなオーバードープ領域において、磁場誘起リエントラント超伝導相を示すことを明らかにする。ゼロ抵抗輸送と高磁場反磁性遮蔽により、この相の超伝導性が確認された。この相は、低磁場超伝導が最初に抑制された後に現れ、幅広い温度範囲、磁場範囲、磁場配向範囲にわたってロバストなままであった。我々はまた、同じドープ範囲において非線形ホール輸送とヒステリシスを伴う磁気抵抗を観測した。これは、リエントラント挙動の非従来型の性質を示している。我々のデータは、Euに由来する交換磁場と印加磁場の間の補償機構と部分的に一致するが、最高ドープレベルではこのモデルからの顕著な逸脱を示している。今回の知見は、無限層ニッケル酸化物が、強相関酸化物における磁気駆動高磁場超伝導を探索するための豊かなプラットフォームであることを確立するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度